
むねまつ農園さま突撃インタビュー
コロナ直撃からの立て直し
~品目と販路の見直しでV字回復~
同じ農業法人で修行後に独立した、宗本さんと松本さん。2012年に2名の共同経営で設立され、現在14期目を迎える"むねまつ農園"さま。
徳島県でほうれん草・きゅうり・チンゲン菜などを栽培。出荷量に重点を置き、安定生産と安定出荷を目指し、現在は売上7,000万円を突破。売上1億円を目指して成長を続けられています。
今回は宗本さん・松本さんの2名に、「売上1億円を達成するための経営戦略と共同経営の秘訣」についてお話を伺いました。
Q1.共同経営を始めたきっかけを教えてください。
A.農業法人勤めの経験を経て「独立」の夢を実現。
宗本さん:元々農家志望で、県内の農業法人に勤めていました。当時から「いつか独立できたら」ではなく、3年間で独立すると最初から決めていました。
松本は、私と同じ農業法人に勤めていました。実家が兼業農家で、30aの農地とトラクターを持っていて、あるとき何気なく「うちでする?」と言われたんです。その一言で、二人でやることが現実になりました。
最初の2年間は昼は定時で働き、夕方から自分たちの圃場へ。栽培の練習をしながら、気づけば夜中の2時まで作業する日もありました。
体力的な辛さはありましたが楽しかったです。自分たちで考えて、自分たちで決める農業をやりたい。その思いだけは二人で共有していました。
Q2.品目選定で意識していることはありますか?
A.1時間当たりの売上を意識!
独立にあたって当初思っていたのは、周りと同じ品目は作らないということでした。価格競争に巻き込まれず、自分たちの立ち位置を作りたかったからです。その結果、最初に選んだのがカリフラワーでした。そこから試行錯誤を重ね、これまで20品目ほど栽培してきました。
その経験を通じて、意識していた指標は、「収穫時の1時間当たりの売上」です。
野菜づくりの中で一番時間と工数がかかるのは、やっぱり収穫です。
1時間に何ケース収穫できるか → コストを差し引いて粗利はいくらか → それをどれだけ回せるか。この流れで売上の見通しを立てられる品目かどうかを、判断軸にしています。

Q3.経営においてのターニングポイントを教えてください。
A.コロナを機に品目・販路を見直す。
設立時の売上は600万円からスタートして、規模を拡大する中で売上も着々と増加してきました。当時の品目はカリフラワーと加工用ホウレンソウ、漬物野菜やナスを栽培していました。試験的にエダマメも栽培していて、結構よかったので、夏の主軸をエダマメにシフトしていきました。ですが、コロナの影響で外食産業の需要減少で大打撃を受けました。
出荷は加工向けと農協へがメインでしたが、業務や加工の原体需要が減り、カリフラワーの価格も暴落しました。エダマメも収量も少しずつ落ちてしまい…。経営の悪化と共に精神的にも参ってしまい、松本に、実習生を国に帰らせ、事業縮小を相談しました。でも松本は「今事業縮小したら負債が増えるだけ、もっと悪くなる」と助言され、どうにか事業を継続。今思うとこの率直な松本の意見がターニングポイントだったと思います。
コロナ明けは戦略的に品目を絞るため、就農当初から栽培していたカリフラワーやエダマメは栽培をやめることを決断。需要が戻った加工ホウレンソウに加え、これまでの栽培で得た知見と市場ニーズを洗い直し、キュウリを夏の主軸に変更して、ネギと畑ワサビの栽培を新しくスタートしました。
販売先に関しても、関西向けの委託販売の比率を意図的に上げて、出口を分散させました。
Q4.共同経営・組織づくりで意識していることはありますか?
A.役割分担を明確に!
クロスエイジにコンサルを依頼するまでは、私(宗本)が「社長+農場長」を兼務していましたが、担当の井上さんから助言を受け、私(宗本)が、社長として中期経営計画や利益設計という「あくまで社長業」に集中し、松本が農場長として現場の運営・管理、作業指示やKPIの把握を担当するようになりました。
あくまでも現場が数字を持つという意識をしてもらえるように、収量やスピード、見通し、1時間当たりの売上は全て松本に質問して、彼の回答をもらうようにしています。
現場への指示に関しても、私(宗本)が直接スタッフに指示はしません。スタッフが気になることや間違っていることをしていたとしても、その場で私(宗本)からは伝えずに、松本に確認して、松本経由でスタッフに伝えてもらっています。スタッフの混乱を招かないためにも指示系統は統一しています。
私と松本の関係性は、補完関係だと思っています。私(宗本)は話す・伝えることが嫌いでないし、リーダー気質のある方だと思っています。ただ、成果に一喜一憂しやすい面もあります。その反面、松本は感情の起伏が一定で落ち着きがあります(笑)意思決定の壁打ちや後押し、冷静な判断を担ってくれて、一歩引いて支えるタイプ。
私にとって、松本は”精神安定剤”的な存在です。
経営者って推進力も、一歩引いて冷静に状況判断できるバランサーとしての視点も必要だと思います。そこを、この真逆な性格で補完し合える関係だからこそ、共同経営がうまく続いているのだと思います!
Q5.クロスエイジはどんな存在ですか?
A.農場長の意識変化がありました!
先ほど述べた通り社長業と農場長の役割を分担した結果、松本に意識変化がありました。
役割分担を行って、松本が農場長として現場の全てを管理・責任を持つようになり、松本の主体性がアップしましたね!収量・作業スピード・見通し・1時間当たりの売上目安、全て松本から報告を受けるようにしています。この意識変化がクロスエイジにコンサルを依頼した最大の成果だと思っています。
この意識変化のおかげで、2人で将来のビジョンの話しをする機会も増えました。
Q6.今後のビジョンを教えてください。
A.売上1億円突破と働きやすさ向上を進めます。
売上1億円突破を目指しています。ただそれ以上の2億円まで規模拡大は考えていなくて、どんどん規模を拡大するというよりは効率アップと自由な時間を作りたいですね。
今の品目をより戦略性を持たせた形で絞って、夏のきゅうりは技能実習生でカバー、畑わさびのシーズンはスポット人材も活用しながらメリハリのある人員計画を実現させていきたいです。
立派な事業所とか社長室が欲しいとは思っていなくて、従業員が少しでも働きやすい環境を整えたいです。炊事場付きの休憩所や清潔で快適なトイレを整備して、勤続年数に応じたボーナス制度の導入もしたいと思っています。
2人で釣りに行く時間を増やしたいですね!ボートを買ったら凄く楽しくて、ゆくゆくはクルーザーを買って釣りに行きたいです。ただクルーザーを買っても釣りに行く時間がない状況を避けたい…!
どんどん規模を拡大するよりは”農繁期はしっかり稼いで、それ以外しっかり休んで、経営が成り立つ”という環境を整えたいと思っています。そのためにも、売上1億円突破という目標に向かって頑張っています。

宗本さん、松本さん、貴重なお話をありがとうございました。









