スター農家プロデュース事例【株式会社 香月菜園さま】
「強み」を活かしたブランディングと加工商品開発
「弱み」を補う新しい販路開拓
データ経営で予測不可な災害にも打ち勝つ「強い農家」へ
香月菜園さまとの出会い
高い志を持つ香月菜園さまに、クロスエイジが注目。
香月菜園さまとは2018年に、JA様主催の青年部講演会で出会いました。そのとき、経営に関するワークを行ったのですが、香月菜園さまの発表内容がとても興味深かったのです。クロスエイジからのお声がけでコンサルティングさせていただく運びとなりました。
パクチーを主力商品とし、販路は全てJA出荷で年間1億円を売り上げていた香月菜園さま。コンサルティングでは、財務分析やマーケティング視点での現状分析を行い、課題と戦略を立てるためのポイントを洗い出していきました。
プロデュース前の課題
農業資材の価格高騰の脅威や、法人化へむけての「強い組織作り」には「データ経営」が必須。
パクチーの生産量が日本一、かつ安価で供給できていた香月菜園さま。しかし、農協出荷の販売手数料に加え、農業資材の価格高騰により、価格勝負に出ると利益が圧迫されていました。そのため新しい販路の開拓、付加価値をつけてブランド化、加工品開発などの戦略を練る必要性がありました。
また、原価・売上・利益を紙媒体で管理はされていましたが、品目ごとの売上構成比や、利益率の高い品目など、詳しいデータまで抽出できていませんでした。次のメイン品目の決定など事業計画を練る際に、経営判断の指針となるデータを可視化する必要性がありました。
プロデュースのポイント
①流通プロデュース
新たなパクチー料理を提案。仕入れ先のバイヤーにメリットを可視化して説明も。
新しい販路として、農協出荷に比べて価格が相場に左右されにくい外食チェーンやスーパーや業務卸などの量販店を選定。
電話の口頭説明では伝わりにくい商品の魅力も、商品提案書を用いて営業。農家さんだけではなかなか難しい販路開拓もしっかりサポートできるのは、農業プロデュースのプロであるクロスエイジならではです。
②商品プロデュース
ポイントは、3つの特徴とネーミング。弱みを強みへ変換、加工商品もプロデュース。
小売店での販売で欠かせないのがPOP作成。クロスエイジでは農家さんへのヒアリングから、印象に残りやすいネーミングとPOPに載せる3つの情報をご提案します。
香月菜園さまのパクチーにつけた商品名は「香月菜園のスイートパクチー」。
POPでは、親子2代にわたって10年以上パクチーの栽培をされてきたこと、クセになるほのかな甘みがあること、そしてだし巻き卵や味噌汁のトッピングなど、意外にも和食との相性が良いことを打ち出しました。魅力が伝わる写真素材の選定や、JANコードの作成まで全てお任せいただけます。
さらに6次産業化の一環で、料理研究家の方によるレシピ監修で「パクパクチーゼ」という加工商品の企画に着手。
パクチーの新しい食べ方を魅力的に伝えるブランディングや、小売店の販路を拡大することができました。
③生産者プロデュース
「スター農家クラウド」で数値化経営を導入。
データにもとづいて施策を実行する体制構築に向け、クロスエイジ独自のITツール「スター農家クラウド」を駆使して「データ経営」ができるようにサポート。販売先・品目ごとの売上構成比や利益率などの「見える化」によって、集中して育てる品目の選定など、経営判断に活用できます。
また、手書きやExcelなど異なる方法で管理していた受注・出荷の情報や請求書作成も、スター農家クラウドで一元化し、おおむね自動化できました。
【香月菜園さまダッシュボード】
プロデュースによる変化
元々、ITに疎かったと話していた代表の香月さんですが、クロスエイジとの取り組みが始まってからITを活用して、社長業に専念されるようになりました。自分の農作物に自信を持ち、組織を強くしていきたいという想いが強かったからこそですね。クロスエイジはそういった熱い志を持つ農家様を全面的に支援いたします。
「自ら戦略をたて、試行錯誤しながら経営していく」と考え方を転換できた、香月菜園さま。今後の日本の農業を担う、若い農家の一員としてどんどん業界を牽引していく素地ができたのではないでしょうか。
クロスエイジがコンサルティング支援させていただいた別の農家様との繋がりもできたそう。お互い刺激を受けて高めあい、今後の日本の農業を前向きにしていって欲しいですね。
(執筆:綾尚世 /編集:ひのりほ)