スター農家ラボ(ブログ)

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有限会社耕佑さま突撃インタビュー

販路開拓や生産効率向上はどうする?
売上1億5,000万円超えの農家が語る、売上拡大のための方法とは


「今より売上を伸ばすためにできることは何だろう?」そう悩む農家は多いのではないのでしょうか?
宮城県栗原市で主に水耕野菜の生産・販売を行う有限会社耕佑さまは、県内外の農家へのGAP認証普及や地域の野菜の卸売など、地元産の農作物の生産・消費拡大に貢献されています。

今回は有限会社耕佑の代表・伊藤秀太さんに「販路拡大や、生産効率の向上のための具体的な取り組み」についてお伺いしました。

目次[非表示]

  1. Q1.就農時の売上規模と、当時の状況を教えてください。
  2. Q2.売上1億7,000万円を突破したとき、どんなことをしていましたか?
  3. Q3.売上3億円を突破するために、どんな挑戦をしていますか?
  4. Q4.周辺農家との協力体制を作るために、どのような取り組みをしてきましたか?
  5. Q5.人を雇用するうえで気をつけているポイントはありますか?
  6. Q6.作業マニュアルをどのように活用していますか?
  7. Q7.経営者が何でもこなして手一杯になってしまう...一歩先に進むためにやるべきことは?
  8. Q8.今後の展望をお聞かせ下さい。

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Q1.就農時の売上規模と、当時の状況を教えてください。

A.地域により密着した農家として「食」を消費者に届けたい。

私が就農したのは2013年で、当時の売り上げ規模は1億3,000万円でした。当時は農協への出荷率が100%で、他の販売先は持っていない状況でした。就農前は、農協で7年間働いていました。もともと「食」を作る仕事に大きな関心があり、農協職員として畑で農家さんと触れ合う機会も多かったんです。

耕佑に転職する大きなきっかけになったのは、2011年の東日本大震災です。農協職員という立場では地域の力になれる範囲に限界があり、「もっと主体的に行動できる環境に身を置きたい」と強く思いました。それから当時の社長と話す機会があり、その中で意気投合したことで耕佑に転職することを決めました。

Q2.売上1億7,000万円を突破したとき、どんなことをしていましたか?

A.大手スーパーとの契約をきっかけに1億7000万円突破。
 GLOBALG.A.P認証で、大きなチャンスを掴めたのがキーポイント。

それまでの取引先は農協のみでしたが、私が入社してからは飲食店との取引を増やしました。スーパーやレストランなど、お客様の顔が見える野菜作りをすることは、私たちにとって大切にしたいことだったからです。

しかし、ある時から主要な生産品目であった水菜の利益が減り、生産をやめることになりました。それから、サラダ菜やサンチュなど他の水耕野菜の生産を増やしましたが、売上1億7,000万円を突破できた最大の理由は、大手スーパーとのPBの取り組みが始まったことでした。

県内の農家の方からPBのサンチュ生産を引き継いでくれないかとお声をかけていただいたんです。ちょうど水菜の生産をやめたタイミングだったため、お引き受けできると思い、大手スーパーを紹介していただきました。弊社にある程度の生産規模があったことや、GLOBALG.A.P認証を取得していたことを先方に評価していただき、PBの取引が決定しました。

Q3.売上3億円を突破するために、どんな挑戦をしていますか?

A.舞茸の生産に加え、今後は加工品の販売にも着手予定。

舞茸の生産を本格的に始めていますので、そちらで売上2億円は超える見込みです。残りの1億円は、加工品販売で利益を出そうと考えています。
弊社のグループ会社で、耕佑や地域の農産物を加工し、新たな販路の拡大に繋げていきたいです。

Q4.周辺農家との協力体制を作るために、どのような取り組みをしてきましたか?

A.マクロな視点で農家を見つめる。地域への想いを伝え続け、技術も惜しみなく公開。

「地域をより良くするためにこんなことをしたいので協力していただけませんか?」と周辺農家さんに声を掛け続けました。

また、弊社の技術を惜しみなくオープンにしました。多くの農家さんは、他の農家を競合相手と見なし技術をオープンにするのを嫌がる傾向にあります。しかし私は、競合相手は農家ではなく、他の業界だと考えているのです。例えば、野菜よりも健康食品の需要が高まることで野菜の消費量が減少すれば、私たちも他の農家さんも共倒れする可能性もあります。地域農家の協力体制を整え、宮城県産の水耕野菜のマーケットを作り出すことが、地域の農業を守ることにも繋がると考えたんです。こちらから先に情報を開示することで、周りの農家さんも心を開いてくれるようになりました。

Q5.人を雇用するうえで気をつけているポイントはありますか?

A.社員へのリスペクトは忘れない。全員が考えをアウトプットできる雰囲気作りを大切に。

もともとトップダウンの組織風土でしたが、私が社長に就任してからはボトムアップに変えようとしてきました。しかし、会社の風土を急激に変えたり、意見を押しつけることは絶対にしません。私が入社する前から働いている方もいるので、社員へのリスペクトを忘れずに、全員が納得できるよう、ゆっくり丁寧に評価軸を変化させていくように意識しています。

具体的に着手したことは、ワークショップの開催です。例えば「早く帰れるようにするには」「会社に求めること」とテーマを決め、立場に関係なく、全員が考えをアウトプットできる場を設けました。そうすることで、徐々に社員からも意見が上がる組織になったんです。全員が同じ意識を持つことが重要なのではなく、一人ひとりがその場で当事者意識を持ち、役割が全うできるような環境作りを心がけています。

また、障がい者雇用を行っていますが、他の社員と同様に1人の従業員として認識しています。彼らにできる作業を任せたり、声かけや伝え方を工夫したりはしていますが、特別線引きをすることはありません。

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Q6.作業マニュアルをどのように活用していますか?

A.周辺農家と共有するためにマニュアルを動画化。従業員の発案で収穫の目安となるプレート作りも。

サンチュの収穫作業は言葉で伝えるのが難しいため、動画でマニュアルを製作し、新人教育や他の農家さんへのノウハウ共有に活用しています。また従業員の発案で、サンチュのサイズプレートを作りました。サンチュは収穫時期によって葉の大きさが違うので、プレートで目安になるサイズを確認することで、作業を標準化できるようになりました。

今後の課題としては、上司が変わると、その上司が感覚的に「いい」と思うやり方に変わって混乱するので、皆が納得のいく形に見える化する=マニュアル化していくことですね。

Q7.経営者が何でもこなして手一杯になってしまう...一歩先に進むためにやるべきことは?

A.信頼して役割を与える。丁寧なコミュニケーションと具体的な指示出しがポイント。

役割分担をしたら、信じて任せることだと思います。その際に大切にしていることは2つあります。1つ目は、役割や仕事内容、目標をきちんと伝えること。2つ目は、相手の思いやポテンシャルを測ること。できないことを無理矢理やらせるのではなく、丁寧なコミュニケーションの上に成り立つ具体的な指示出しが大切です。

私も前社長に信頼して任せてもらった経緯があるので、同じように社員と接しています。赤の他人なのに事業継承させていただき、やりたい活動を心置きなくバックアップしてくれた先代たちの懐の深さには日々感謝しています。

Q8.今後の展望をお聞かせ下さい。

A.自社だけの利益ではなく、地域全体を活性化していきたい。

水耕栽培の野菜と舞茸を、安定的に生産していくことですね。また現在はスーパーと飲食店で売上の割合が半分ずつなので、クロスエイジさんとタッグを組んでさらなる販路拡大を目指していきたいです。

地域全体としては、慢性的な人手不足が続いています。特定技能外国人や障がい者の雇用を進めたり、加工部門や飲食部門を展開して雇用を生み出したりすることで、人を循環させる仕組みを作り、地域を活性化していきたいと考えています。

先代の「地域をより良くしていきたい」という想いを引き継ぎ、楽しそうに働く大人を増やして、次世代を担う子どもたちが「地元に残りたい!」と思ってもらえる地域にできたらいいですね。


売上1億3,000万円から、地域の方々との密な構築作りや大手PBブランド契約取得を経て、今後は複数事業展開で売上3億円を目指す有限会社耕佑さま。
先代から地域や農業全体を良くしたい志も引き継がれ、懐の深さを持って社員や地域の方と接するお姿に畏敬の念を抱きました。

伊藤さん、お忙しい中貴重なお話を聞かせていただき、誠にありがとうございました。


                            (執筆:綾尚世 /編集:ひのりほ)

スター農家クラウド編集部
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スター農家クラウド/Web編集メンバー

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