スター農家プロデュース事例【耕佑さま】
ボトムアップ型の組織構築。
全員が協力し合える環境で生産性の向上に繋げる。
耕佑さまとの出会い
クロスエイジの過去の取り組みがきっかけに。耕佑さまから熱烈なアプローチを受ける。
宮城県にある氏家農場さまとクロスエイジの取り組みについてご存じだった耕佑さま。
2021年に会合で耕佑さまと直接お会いした際、クロスエイジの力を借りたいとお声がけをいただきました。
耕佑さまは宮城県栗原市で水耕野菜の生産・販売を行っている会社です。
プロデュース前の課題
組織の仕組みを整え、社員の一体感が生まれるよう目指す。
耕佑の代表である伊藤秀太さんは元農協職員。2013年に耕佑に就農しました。先代から農地を引き継いだ伊藤さんは、組織作りに対する先代とのやり方の違いで悩みを抱えていらっしゃいました。伊藤さんは、社員とのコミュニケーションを大切にして、トップダウンの組織からボトムアップの組織に変えたかったのです。
これからは組織の仕組み作りを固めたいとのことで、クロスエイジは組織コンサルを中心に耕佑さまをサポートすることにしました。
生産者プロデュースのポイント
①組織の仕組みを整える
ボトムアップの組織体制を目指して、ブラッシュアップを重ねる。
最初の取り組みとして財務分析や決算書をチェック。3~5年のアクションプランを考え、組織図を練り直しました。
特に注目したのは中間管理職です。水耕野菜の栽培や、社員のマネジメントなどたくさんの仕事を行っていました。もっと多くの社員に成長してもらいたいので、サンチュや三葉などの栽培管理の専門部署を作り、従業員の管理に集中してもらうことを提案しました。
専門部署では、栽培管理の技術力を身につけてもらうほか、栽培に詳しい方をスタッフとして採用しました。組織図の練り直しを繰り返し、約半年で組織の仕組みを作り上げることができました。
②社員の育成を強化する
No.2を育成。社員全員が役割を担い、責任感を培う。
社長である伊藤さんは、農福連携福祉事業や地域活性など多岐に渡る活動に携わっていました。その上、農場全体の管理もするという、多忙な生活を送っていました。そこで、伊藤さん1人に任せず、No.2の育成をするために社員に役割を分担。
組織図の考え方の共有や業務の棚卸し・整理をしてもらうなど、当事者としての意識を高めてもらいました。役割分担することで、伊藤さんは今後の事業の成長にも大きく影響を与える地域活性のための活動により集中できるようになりました。
③データの見える化
効率化を進めるため、スター農家クラウドを導入。
今まで、受発注システムや会計システムを使用していたのですが、データ分析できる状態ではありませんでした。そこで、スター農家クラウドを導入。データ分析が可能になったことで、効率よく受発注ができるようになりました。
組織の仕組みが整い、社員一人ひとりに役割を任せることで社内の一体感が生まれた耕佑さま。
このように、組織コンサルができるのもクロスエイジの強みです。課題を解決し、野菜作りにも良い循環が生まれるようにサポートしています。
プロデュースによる変化
課題が解決した後も継続的にサポート。福祉分野も支援し、社会貢献へ。
現在は月に一度、月次決算データを基に年度数値計画を参照し、予算と実績を分析しています。
分析結果を見て、次に向けての改善策を考えるサイクルができています。
さらなる取り組みとして、休眠預金活用事業を行っています。就農人口の高齢化が進む中、耕佑さまにおいても人手不足が懸念されます。そこでクロスエイジは、障害者の方に活躍してもらえるように、就労支援事業所の支援事業を提案しました。社会貢献に繋がるとともに、人材確保の動線となるからです。
今後は、新しい商品を生み出したいと考えているとのこと。日本各地の農家さまとの実践で培ったクロスエイジの知見をもとに、商品プロデュースをお手伝いし、さらなる発展に貢献していきたいと思います。
(執筆:吉野朱美 /編集:林春花・ ひのりほ)