株式会社 ONE GOさま突撃インタビュー
【農福連携】売上1億4000万円!
農業法人の成功のカギは組織づくりと障害者支援!
2020年、あまおう農家とコラボし、農業法人「ONE GO」を設立した株式会社SANCYOの代表・嘉村 裕太さん。後継者に困っていたあまおう農家と就労継続支援A型事業所を運営する株式会社SANCYOがコラボした新しい事業継承モデルを構築しました。
今回、40人の社員と約100人の利用者を率い、「生きづらさ働きづらさのない世の中を創る」というビジョンを掲げる嘉村さんへ「売上向上の秘訣と組織づくりのポイント、成長し続けるためのマインド」をお伺いしました。
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\農家法人が成長し続けるために大切なことお答えします!/
(写真左から)株式会社 ONE GO 取締役CMO 物部 遼平、株式会社 ONE GO 取締役CTO 築島 一典、株式会社 SANCYO/株式会社 ONE GO 代表取締役 嘉村 裕太
Q1.売上5,000万円を突破したとき、どんなことをしていましたか?
A.販売方法を大幅に変更しました。
2020年5月にあまおう農家の築島さんと「ONE GO(ワンゴー)」という農業法⼈を立ち上げた際に、販売方法を「ふるさと納税」に変更しました。
農業法人「ONE GO」としては、売上を上げて雇⽤を⽣み出せる状況を作りたかったので、生産のプロとして農家の築島さんに、販売のプロとして物部さんにご協力いただき、イチゴをすべてネットで販売する形をとりました。
ふるさと納税の返礼品としても⼈気になり、築島さんが⼀⼈でやっていた時は売上で700万円だったのが、ONE GOになってからは1年で7300万円まで伸びました。
Q2.売上7000万〜1億円を突破したとき、どんなことをしていましたか?
A.組織づくりと収穫量の見直し、補助金の申請などを行いました。
売上7000万〜1億円を突破した2年目に行ったこととしては、
・農業法人「ONE GO」としての組織づくり
・面積あたりの収穫量の見直し
・ハウスを2.5倍に拡大
・倉庫を建てるなど、設備投資のための補助金申請 など多岐に渡る業務に取り組みました。
特に、組織化したことで、今まで築島さんが手間暇かけてやってきたやり方を一度否定するような形になるので、最初の頃は大変でした(笑)
ただ、否定をするというよりも「仕事を何のために・誰のためにするのか」の対象が変わったことをお伝えしていきました。何度もお伝えすることで、「これからはご夫婦ではなくチームで取り組む」ということをご理解いただけたかなと思います。
また、生産チームが作られると、技術を継承する若いスタッフが増えることになるので、その方々の給料を上げること、将来を若手に任せていくっていうところが、築島さんの中でモチベーションになっていったんじゃないかなと思います。
Q3.農業法人として人を雇用する上で気を付けているポイントはありますか?
A.感情論・根性論のマネジメントではなく、論理的に分かりやすく伝えること。
株式会社 ONE GOの親会社、株式会社SANCYOのビジョンである「生きづらさ働きづらさのない世の中を創る」を体現したいと思っています。
それは、障害を持っている方だけが対象ではなくて、生きづらさ・働きづらさを感じている多種多様な方々の雇用を増やすことなんです。
例えば、刑務所から出てきた方や幼い子供を育てている親御さん、親の介護が必要な方、引きこもりの方、難病の方、LGBTの方などです。
雇用する上で気を付けているのは、感情的にならず論理的に伝えることですね。あとは、基本的に人には言えないことはしないようにしています。社内で全員がオープンでいられるような仕組みづくりを意識することが大事ですね。
Q4.経営者自身が何でもこなして手一杯になってしまう…一歩先に進むためにやるべきことは?
A.権限を委譲していくこと。各分野のプロに仕事を任せること。
人に仕事を任せることが苦手な人が多いと思いますが、将来的に仕事を任せて権限を委譲することが大事だと思うんです。
頑張っている人にはもっと上のポジションにいってもらったり、その空いたポジションに人を入れたりすることで、社内によい循環が生まれる。僕のポジションも結局同じで、ゆくゆくは信頼できる人に任せたいと考えています。あとは、強化したい分野があれば、その道のプロに業務委託するなどですね。
Q5.農業経営者がステップアップするために必要なことは何ですか?
A.自社がどうありたいのかを考え、高い目標を掲げること。
僕⾃⾝、家庭が貧しく、もともとお金を持っているわけでも、経営能力があるわけでも、農業をやっているわけでもありませんでした。その中で、幼い頃から⽣きづらさや働きづらさを感じていたこともありました。でも、いま成長できているのは、困っている⼈を助けるために「高い目標を掲げる」ことを意識しているからだと思うんです。
高い目標を掲げたら全てが道中で、そこに批判や否定があっても、すべてステップアップのためだと捉えることが出来ます。
Q6.クロスエイジはどんな存在ですか?
A.他の農家さんとのつながりや、障害者雇用を促進させるきっかけを作る大きな存在。
クロスエイジさんと関わって取り上げていただくことで、他の農家さんとつながることができたり、自社のパートナー企業さんが障害者雇用を活発に行なうようになってくれたり、業界全体が盛り上がってきたことを実感しています。
株式会社 ONE GOが注目を浴びることが社会貢献につながりますし、クロスエイジさんとのWin-Winな関係でいられることを誇りに思います。これからも、クロスエイジさんを通じてさまざまな地域での障害者雇用が進むきっかけになれたらと思っています。
2年で売上700万円から1.4億円まで成長し、まだまだ成長を続ける株式会社 ONE GOの嘉村 裕太さんに「売上向上の秘訣と組織づくりのポイント、成長し続けるためのマインド」をお伺いしました。
福祉事業のプロ嘉村さん、イチゴ生産のプロ築島さん、販売のプロ物部さん、各分野のプロが手を組み着実に成長を続けています。
嘉村さんの「生きづらさ働きづらさのない世の中を創る」というビジョンは、農福連携だけにとどまらず「多種多様な方々の雇用を増やす」という雇用問題全体に明るい光を感じられました。
嘉村さん、貴重なお時間をありがとうございました。