スター農家プロデュース事例【株式会社なかせ農園さま】
「なんかいいよね」で終わらせない
クロスエイジと歩む、さつまいも売上3倍アップまでの道のり
なかせ農園さまとの出会い
クロスエイジから流通のノウハウを学びたい。
なかせ農園さまは熊本県大津市にて、ご兄弟を中心に家族で営むさつまいも農家です。
お父さまが社長の頃の販路は全量市場出荷。大根や里芋も生産していましたが、世代交代後、新しい貯蔵庫設立への投資を機にさつまいものみの生産へ移行しました。
弟・健二さんが2014年に3ヶ月間インターンシップに来られたことをきっかけにクロスエイジとの歩みが始まりました。
プロデュース前の課題
評価の高いさつまいもだが、売上に繋がらない。
販路は全量市場出荷。高い評価を得つつも、価格決定権がなく、利益は上がらないのが悩みでした。
また、農協の基準にあわせて43通りの選別規格があり、選別にコストがかかっていました。
プロデュースのポイント
①商品プロデュース
大手スーパーとの商談にむけ、コスト面や高品質なさつまいもの魅力を明示。
脱・全量市場出荷を目指し、クロスエイジと取引がある大手スーパーにアプローチしました。
供給販売企画書を作成し、なかせ農園の2つのプロデュースポイントを「見える化」して伝えました。
1つ目は、コストパフォーマンス。
今まで市場用に43通りあった規格を4通りに縮小したことで、コストも低く抑えられることを打ち出しました。
2つ目は、さつまいものこだわりを言語化。
「蔵出ししっとり密芋」と印象に残りやすいネーミングを考案しました。
Win-Winの関係が築けることや、他の農家には真似できない質の良いさつまいもの魅力をきちんと言語化したことで、見事商談が成立。今や全量直販に切り替わりました。
②生産者プロデュース
震災の逆境を逆手に取る。補助金制度を活かした貯蔵庫の再建で法人化へ。
2016年の熊本地震時、貯蔵庫が破損。新しく建設する必要があり、資金調達のため法人化をアドバイスしました。その後、法人化しクロスエイジの「補助金活用支援コンサル」により6,500万円の投資を行い、新しく貯蔵庫を設置しました。当時の収入より3倍以上の投資となりましたが、業務の効率化や財務分析、データ分析などにより、貯蔵庫の稼働率も向上。売上も2,000万円から6,000万円へと成長しました。
地域全体のさつまいも農家後継者達と株式会社イモセガレ結成。
クロスエイジのネットワークを最大限利用して、なかせ農園を中心に、地域全体のさつまいも農家後継者のコミュニティ「イモセガレブラザーズ」を結成。共同事業として、株式会社イモセガレも設立しました。地域の後継者と情報共有をしつつ、共同で選果、貯蔵、加工を行い国内の販路開拓と世界展開を画策することで、コスト削減や品質向上、売上拡大に繋げる狙いがあります。現在は、佐賀県のさつまいも農家西部コロニーと共同で新しい品種「ハニーオーズ」の作付けを進めています。
プロデュース効果
大きな方向転換のきっかけになった熊本地震から7年。売上が2,000万円だった個人農家から、売上7,000万円のさつまいも専業農家へと成長しました。中瀬さん自身の意欲も非常に高く、これまで学んだノウハウを存分に活かし、それらを地域の農家にも繋げています。その姿は、クロスエイジが目指す「スター農家」そのものです。
(執筆:綾尚世 編集:林春花 監修:ひのりほ )