スター農家ラボ(ブログ)

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スター農家プロデュース事例【長沼農園さま】

2年間で売上8,500万円から1億円に達した農家。
最短距離で売上を伸ばすための工夫とは。


株式会社長沼農園さまとの出会い

多角的な視野で改善を図り着実に売上を伸ばしてきた農家。

2022年夏に群馬県伊勢崎市で開催された青年農業者の会向けのセミナーにクロスエイジとして登壇させていただいた際に、参加者だった長沼農園代表・長沼芳憲さまと出会いました。当時の長沼農園さまはお父様より事業承継、法人化されて12期目で、8,500万円ほどの売上がありました。
お話をお伺いしたところ、長沼さまが就農された当時の売上は5,000万円だったものの、栽培効率を高めるために土壌分析や人材確保を行うなど、これまでも売上拡大に向けて地道な努力をされていました。

プロデュース前の課題

売上1億円達成の喫緊の課題は「現場力の強化」にあると考えた。

目標となる売上1億円達成に向けて、下記の4点が長沼農園さまの課題となっていました。

①人材の確保
売上規模拡大には人材といった現場力を増強させる必要がありました。
②人材育成
定着した社員に対する権限移譲、業務をマニュアル化して組織を整備する必要がありました。
③データ活用
当時の長沼農園さまはExcel以外に使用するシステムがなく、効率的に経営状況を把握するためにも改善の余地がありました。
④事務員の確保
代表の長沼さんが事務作業に追われ、経営にリソースを割きづらい状況でした。

クロスエイジでは、長沼農園さまが最短距離で効率よく目標売上を達成するためにも、生産者プロデュースとして「経営計画」と「評価制度」の2点に注力しながらお手伝いさせていただきました。

プロデュースのポイント

①経営計画
人材確保の前提となる経営計画策定では、数値を月次視点まで落とし込む

人材を確保するためには利益に余裕があることが大前提です。そのため、まずは長沼農園さまの現状を把握し、利益を着実に出しているかどうかを確認しました。
その後、年間の月次の数値計画を綿密に練り、経営計画を立て、計画に沿ってどの程度の採用が必要かアドバイスさせていただきました。そして、採用に先駆けたハウスの増園といった投資について共に考えました。

どんなに売上があっても年度計画を月次で立てている農家は稀です。長沼農園さまでは品目ごとに部門別に数値計画を作り、問題となっている項目を洗い出したり、全体の数値を俯瞰して課題を探り、逐次改善を図りました。売上1億円を達成できる現実的なプランだと判断できた段階で、採用に注力しました。

②評価制度
規模拡大には人材の定着が重要だからこそ、働きやすい環境を整備

定着した方々を育成するためにも、組織図や役割の定義、給与テーブルなどの仕組みの構築をお手伝いさせていただきました。社内ルールや作業指示に関してはしっかり文章化させ、従業員と共有することで働きやすい環境を整備しました。

経営計画や評価制度といった組織の基盤を整えた現在も長沼農園さまへのサポートが続いています。次のフェーズとしては、競争戦略や長期事業構想など長期的な視点でサポートさせていただくなかで、長沼農園さまの規模拡大を視野に入れています。

プロデュースによる変化

長沼農園さまの生産者プロデュースを経て、当初は8,500万円ほどだった売上は、1年後に9,200万円、そして今年の決算では1億円を達成しました。長沼さまの理解力の高さが、スピーディーな売上拡大の一翼を担ったと感じています。

今後は採用やマニュアル化の拡充のほか、データ活用を引き続きサポートさせていただき、規模拡大に伴って販売支援にも携われたらと考えています。


(執筆:柴萌子/編集:ひのりほ)



藤野 直人
藤野 直人
株式会社クロスエイジ代表取締役/農業総合プロデューサー

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