スター農家ラボ(ブログ)

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第5回 生産現場に立ち返れ

こんにちは!農業総合プロデューサーの藤野です。
私たちクロスエイジは、農家が自立して稼ぐことができる『スター農家』を創出し、農業を魅力ある産業にすべく、販路開拓・商品企画・経営支援の3つの側面からプロデュースを行っています!

第5回目となる今回の「スター農家理論」は、【生産現場に立ち返れ】編です。
今回は3つの理論をお伝えします。


目次[非表示]

  1. 1.利益の最大化を狙いましょう。「農業経営の方程式」理論
  2. 2.しっかりとした土台を構築、「生産で1億円超えたら6次産業化」理論
  3. 3.生産現場への信頼を築く覚悟、「発電機調達」理論

利益の最大化を狙いましょう。「農業経営の方程式」理論

農業経営の方程式は、ズバリ
単収×単価×面積-(人件費+減価償却費+その他経費)=利益
です。なので、以下のようなスローガンを簡単に信用してはいけません。

少量多品目で消費者直販、やりがいのある農業を!
⇒少量多品目でやると収量が上がりませんし、消費者に作物を直接送るB to Cは手間暇(人件費含めたコスト)がかかりすぎます。

★安全安心な有機農産物を普及させよう
⇒有機農業は、収量が低くて人件費がかかる割に、単価が見合いません。

★これからの農業は大規模に植物工場に設備投資!
⇒植物工場は、理論値通りに収穫できても売り先がないので、単価が維持できません。

★理念・ビジョンを掲げて、研修生がたくさん集まる農場に
⇒独立したい研修生が集まる農場もいいのですが、社員としての人材をきちんと育成・定着させることができないと、1人当たりの生産性・収益性は向上しません。

6次化で、付加価値を高めて、百貨店や高品質スーパーに
⇒6次産業化に挑戦すると言って、加工品を作ってみても、食品メーカーには勝てません。地元の地産地消の売り場に置かれるだけです。

★攻めの農業で、これからは海外輸出に取り組もう
⇒消費者のこだわりが強く、所得も高く、物流的にも無理がないのは国内マーケットです。海外はまだまだいばらの道です。

「少量多品目」「消費者直結」「有機農業」「植物工場」「研修生がたくさん集まる」「6次産業化」「海外輸出」を事業のポイントとした戦略的なストーリーがあれば良いです。
大事なのは、全体の整合性や辻褄が合うことです。

ただ、言えることはほとんどの要素に「生産現場」は強く影響しています。
高い収量、高いA品率、美味しい品質、効率的な生産現場による人件費削減、モノが良いことによる選果・選別工程の人件費削減、生産設備への投資による適正な減価償却等、すべて「生産現場」の強さに関するものです。生産現場に立ち返り、利益を最大化させましょう。

しっかりとした土台を構築、「生産で1億円超えたら6次産業化」理論

最終的に3億円を目指すスター農家の場合、どのタイミングで6次化を目指せば良いのでしょうか?その基準は、売上1億円です。仕入れや6次化なしで、自社生産で1億円です。
そこからは、面積を広げずに一次加工に取り組んだり、コンシューマーパッケージ(消費者が直接手に取る姿・形)の加工品開発やギフト開発に取り組みます。

1億円までやったことを3倍の面積でやって3億円というのは、災害リスクの拡大や生産性の低減、栽培作物の成熟化・衰退化などの理由で難しいです。そのため、カットネギにする、焼き芋にして冷凍で出荷する、とろろの朝ご飯セットを作る、冷凍イチゴやイチゴのロールケーキを作る、パクチーのスパイスやペーストを作る、などなどに取り組んでいく方が勝算があります。

「何で1億円か?」というと、食品メーカーをライバル・競合と見た場合、農家にとって6次化をして、地産地消ではない方法で広域で販売していくには強みが「農業生産(品種・気候風土・人のストーリー)」しかないからです。そのコアであるべき「農業生産」が数百万や数千万の規模であれば、大した強みにならないからです。

逆に1億円くらいの玉をもって、本格的に設備投資して、商品開発のコンサルタントを入れて、1億円の農産物を販売してきたマーケティングの知見をもって取り組めば、高い確率で成功できます。これに成功したら3億円農家の仲間入りです。実際にあるネギ農家は生産で1.3億円くらいの時からカットネギに着手し、5億円を超える農家に成長していますが、生産面積は10~15haで1.3億円の時と変わりません。


構想や施設立てる際の補助金申請等に1~3年かかりますので、5,000万円くらい超えたら少しずつ考え始めると良いでしょう。

生産現場への信頼を築く覚悟、「発電機調達」理論

最後に、生産現場への信頼を築く「覚悟」についての話をします。

農家として、5,000万円・1億円・3億円を超えていくためには、次の2つの覚悟が大事だと考えています。

1.目標を自ら作り出す覚悟
2.天候や災害のせいにしない覚悟

1は直接生産現場に関係しないので省略します。

2の「天候や災害のせいにしない覚悟」についてですが、農業界では、高い業績を継続して保っている経営体は、とにかく欠品しません。「時期的に今は品質が・・・」とか、「猛暑だから・・・」といった条件を言い訳にしないのです。

農家の気合と根性が垣間見えるエピソードを一つご紹介します。
野菜のカットまで手掛けるある農業法人の畑は、多少の豪雨ではびくともしません。そもそも自宅から1時間以内にある水はけのよい農地を選ぶ努力を普段からしているのです。技能実習生が住み込みで働いているので、すぐに作業にあたることもできます。

それでも2017年の九州北部豪雨では雨がひどすぎて、カット工場の一帯が停電になりました。カットするための機械が動きません。そこで経営者は、建設会社に行って発電機を調達し、発電して一晩かけてカットしました。これで欠品は避けられました。

災害にあったとしても、出来るところまで力を尽くす。
その覚悟が働く人に伝播して、一人ひとりが責任感を持って働く組織、そして強い生産現場が作られていくのだと思います。発電機を調達してでも生産現場としての責任を果たすという覚悟を持ってほしい。略して「発電機調達」理論です。


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以上で、第5回は終了です。

やはり農家の本分は農業生産なんです。
収量アップやA品率向上、品質アップで単価アップ、上手な人使いや設備投資で人件費削減など、生産現場にこそ儲かりポイントは落ちている、そう思っています。
「販路開拓が難しい?」そんなの生産現場でたくさんの差別化が施されていれば本当は簡単です(笑)

藤野 直人
藤野 直人
株式会社クロスエイジ代表取締役/農業総合プロデューサー

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