これでスッキリ!売上データを活用するためのキホンのき
こんにちは、スター農家クラウド開発責任者の松永です。
コロナ第7波が大流行中ですね。松永家も私以外3人陽性反応者出ています。
私はいつ症状が出るかに怯えながら、本ブログを書いてます(笑)
今回から全6回に分けて、スター農家クラウドでの売上データ活用について連載します。
まずデータを活用するには、2つステップがあります。
①データをためる
②データを活用する
現場でのデータ活用支援を行っている私の感覚値では、7割程度が「①データをためる」で苦戦しています。
そこで本連載では、「売上データを活用するためのキホンのき」ということで農業経営において、売上データがたまるまでの全体像と問題点の把握、問題解決事例、データの活用方法を読書の皆様に理解してもらいたいと思います。
第1回目の本ブログは「売上データをためる全体像と問題点」について記載します。
なお、2回目以降の内容は以下の通りです。
▼連載
1回目.売上データをためる全体像と問題点
2回目.問題解決事例①農協編
3回目.問題解決事例②直売所・市場編
4回目.問題解決事例③運用体制構築編(スタッフにデータ入力作業を移行するには?)
5回目.売上データの活用事例①データ可視化
6回目.売上データの活用事例②会計ソフトとの連動
※途中内容や回数も変わる可能性あり
目次[非表示]
- 1.諸悪の三兄弟
- 2.販路によるデータ管理の複雑化
- 3.まとめ
諸悪の三兄弟
まず、はじめにデータ活用で発生する問題は
①プロセス、②システム/ツール、③人(スキル)の3つに起因します。
この3つを私は「諸悪の三兄弟」と俗語で呼んでいます。ネット検索には引っかからないので、あらかじめご了承ください。
すなわち、データ活用で発生する問題は「諸悪の三兄弟」のいづれか、またはその組み合わせになります。
実際のスター農家クラウド活用支援の場面でも、私たちが一番時間をかける工程は「プロセス」です。
理由は①生産品目、②生産者の販路、③生産者の事業規模、④生産者が現在運用しているデータ管理体制が複雑に絡み合っているからです。
次の章では、諸悪の三兄弟の中の一つ「プロセス」の「生産者の販路」によってデータ管理が複雑化している全体像と問題について解説したいと思います。
販路によるデータ管理の複雑化
現在は農協、市場、産地業者、契約出荷、道の駅・直売所、ネット販売など多種多様になり、生産者自身が商品特性や物量に応じて販路を決められる時代になりました。
読者の皆様にも、農協出荷のみの方、農協出荷+契約出荷もしている方、さらに直売所やネット販売しているという方もいるかと思います。
ただし、データ活用の観点でいうと、多種多様な販路になるほど、逆に生産者がタイムリーに売上データを把握しづらい構造になっているのが現状です。
図からも分かる通り、「委託or買取での違い、販路による違いによって売上データをためる」プロセスがそれぞれ異なります。そのため、販路先が増えると売上データの管理に時間がかかります。
特に委託販売は厄介です。
売上確定通知がメールで来たり・来なかったりすることもあります。
確定通知が来たとしても3~4週間かかる、紙データしか提供してくれないなど課題は山積みしています。
事務員がいる農業法人ならマンパワーで解決できますが、専任の事務スタッフがいない生産者にとっては売上データをタイムリーに把握するハードルが一気に上がります。
現在の委託販売(農協・市場・直売所・道の駅)は速やかに決済することを第1優先で仕組み化されたシステムです。生産者側がデータを2次利用する観点が入ってないシステム設計になっているのです。
まとめ
売上データをためるところで行っている全体像と、そこで起こっている問題点をご紹介しました。委託販売の仕組みは10~20年スパンで変わるので、我々ができることは今ある環境でいかに効率的にデータをためるかです。
管理業務を考慮すると販路を多種多様にするのも経営を複雑にする可能性があります。
「売上は上がっているけど、よく分からない状態になっている」にならないように注意が必要です。
次回は、問題解決事例①農協編です。
「結局、農協出荷と契約出荷がどっちが儲かっているのかタイムリーに把握したい」
「もっと農協のデータを簡単にためたい」、この2つを実現するために行った生産者への問題解決事例を紹介します。最後までお読みいただきありがとうございました!