スター農家ラボ(ブログ)

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自動化できる!眠ったデータを掘り起こせ【直売所編】

こんにちは。スター農家クラウド開発責任者の松永です。

先週、営業活動で愛媛→高知→鳥取を訪問しました。
鳥取での営業活動を終えたら、愛媛県の八幡浜市警察署から財布を落としていたという連絡がありました。落していたことに丸1日気づかない自分に落胆…。
同行していたスタッフにお願いし、帰りのルートを鳥取→愛媛→福岡へ急遽変更。家に着いたのは鳥取を出発して12時間経っていました。次の日は体がバキバキでした…。貴重品の紛失には改めて気をつけたいと思います。

私の話はさておき本題です。
スター農家クラウドの売上データ活用についての第3回目のテーマは「直売所の販売データの利活用」です。
背景は生産者が売上全体を俯瞰する際に、直売所に出荷した販売データがブラックボックスになっているケースが多いからです。この現状分析は、後ほどご紹介するとして、本ブログは以下のような方を対象者と想定しています。

①販路の1つとして直売所を持っている方
②複数品目・品種の販売をしている方
③直売所の販売データの活用事例を知りたい方
④直売所の販売データをためる作業をもっと楽にしたい方

目次[非表示]

  1. 1.直売所の販売データをためる上での現状の問題点
  2. 2.眠ったデータを掘り起こした事例
  3. 3.蓄積した直売所販売データの活用
  4. 4.さいごに

直売所の販売データをためる上での現状の問題点

「直売所の販売データをためる上での現状」についてご紹介します。

スター農家クラウドの事業でデータ化を支援する前は、図のように「生産者が直売所へ出荷後、直売所から定期的に売上速報メールが来るので、便利なシステムを使っている」ぐらいしか私は思ってませんでした。

しかし、実際に直売所のデータ管理の改善支援を行うと実態が見えてきました…。

・直売所ごとでシステムが異なる。一元管理するにはデータ整理が必要。
・紙媒体でしか販売データがもらえない。意外と大手スーパーほど紙媒体だったりする…。
・メールで来る販売実績をエクセルで記録するのが手間。
・正しくデータ活用するにはラベル管理等の事前設定が必要。

意外と乗り越えないといけないハードルが多いですよね…。

直売所データ活用の本来あるべき姿は以下のイメージです。

①日次単位    :出荷数と販売数を把握しながら商品補充をして売上機会を最大化する
②週次or月次単位 :販売実績データを基に、注力する店舗と品目の絞り込み
③四半期or年次単位:全体売上を把握しながら販路の1つとしての直売所の販売施策を立案する

まず第1歩としては、日次単位での出荷数と販売数を地道に記録することになります。
この地道な作業が面倒ですよね。メールを1件1件エクセルや販売管理システムに入力…。
この手間が、今まで多くの生産者が直売所の販売データがブラックボックスになった原因だと思っています。

眠ったデータを掘り起こした事例

次にスター農家クラウドのデータ活用支援における、直売所の販売データの効率化事例をご紹介します。

まず、ことの発端は、直売所に全体売上の3割ほどを出荷している生産者からMTG時に言われた一言です。
「直売所からメールが来るからそれを自動転記できれば、相当事務作業が楽になるんだよね、良いアイデアないですか?」

このMTGのあとから1週間ぐらい考えた結果、G-mailへ送られてくる直売所の販売データを自動蓄積する仕組みが作れることが分かりました。フローは以下の通りです。

この運用をするときの注意事項は2つあります。
・事前設定として、各直売所から売上速報が送られてくるメールアドレスと最終配信時間の設定
・品目ごとの売上単価・数量がわかるように納品店舗でのラベル表示設定が必要
 
このプログラムを活用することのメリットは、1回あたりの入力時間削減です。
事前設定(初回30分)と月末の処理(10分程度/回)だけで、日々の入力が不要となり、入力担当者は空いた時間を有効活用できます。

トライアルで8月からテスト運用している生産者からも「月末に3時間かかっていた作業がなくなり、かなり楽になった」とのこと。現在このプログラムをスター農家クラウドをご導入頂いている他の生産者へ順次横展開しています。

蓄積した直売所販売データの活用

直売所の販売データがたまる体制作りができたら次は活用フェーズです。スター農家クラウドではダッシュボード・レポートを活用してデータを可視化することができます。

 ■データ可視化例
 a)直売所における店舗別売上
 b)直売所における店舗別品目別売上
 c)店舗別の曜日別理論在庫数
 d)販売カテゴリー別(農協、契約取引、直売所)の構成比(金額ベース、出荷重量ベース)
etc

またデータ蓄積と可視化ができたら、いよいよデータ活用(意思決定)です。
例えば、昨年から直売所データの可視化を行っている生産者(花農家)は図のような意思決定を行っています。

直売所へ出荷を始めた時にデータ収集もスタートしました。狙いは市場出荷ではB品以下になって値段がつかないものの単価アップと市場出荷メインからの脱却です。
「3年以内に全体売上の10%を直売所にする」を目標にスタート。データを見ながら直売所への出荷を順調に進め、一年目は全体売上の6%、2年目の現在は9%と着実に目標へ近づけています。
また「今までは市場出荷メインだったため、自分達の商品がどういう評価をもらっているか分かりづらかった。直売所に出すようになって、どういうニーズの商品があるか分かるようになってきた。やりがいがある。」とのこと。

さいごに

今回は直売所の販売データの利活用について以下の3点を紹介しました。
①現状の直売所データをためる上での問題点
②眠っている直売所データの掘起こし事例
③直売所データ利活用例

直売所自体は自分で値段をつけられる良い販路です。ただその代わり、現状ではなかなか販売データを収集できないというデメリットもあります。但し、今回ご紹介した「G-mailへ送られてくる直売所の販売データを自動蓄積する仕組み」を活用すれば、簡単にデータ蓄積と活用までできます。
是非、興味がある方はお声かけください。

次回のテーマは運用体制構築編です。現場スタッフがスムーズにデータ入力をするコツなど、極力経営者がデータ入力しないよう体制作りをどのようにやっているかお伝え出来ればと思います。お楽しみに!

松永 寿朗
松永 寿朗
スター農家クラウド開発責任者/農業総合プロデューサー

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