スター農家ラボ(ブログ)

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最終回 農業の人材育成!成功させるための3つのポイント

こんにちは!農業総合プロデューサーの藤野です。
私たちクロスエイジは、農家が自立して稼ぐことができる『スター農家』を創出し、農業を魅力ある産業にすべく、販路開拓・商品企画・経営支援の3つの側面からプロデュースを行っています!

最終回となる今回の「スター農家理論」は、【人材育成】編です。
今回は3つの理論をお伝えします。

目次[非表示]

  1. 1.右向け~右!「教育は訓練のあと」理論
  2. 2.「農業にマニュアルは必要か?」理論
  3. 3.組織を育てる「人は会議で育てろ!」理論

右向け~右!「教育は訓練のあと」理論

例えば、八百屋でレジ打ちの業務があったとします。そのためにパートスタッフを雇って、レジの打ち方を教えます。

そのとき「何のためにレジを打つ必要があると思う?」とか「どうやったらレジを間違えずに早く打てると思う?」とわざわざ尋ねたり、教えたりすることはありませんよね?なぜなら、雇用した側は1日でも早く業務を覚えてほしいと思っているからです。

パートさんにはレジの前に立って「まずキーを差し込みます、そしてここのダイヤルを回します。金額を打ち込んで、部門のボタンを押します。打ち終わったら合計ボタンを押してください…」と説明しながら、まずは「言われた通りにやってください」と伝えるものです。

これは教育ではなくて「訓練」です。任せたいことを最低限できるように教えるのが訓練です。まずは「訓練の5W1H」を整理してみましょう!

この中で最も重要なのは「When」、つまり訓練期間を決めることです。明日からという場合や2週間、あるいは3カ月という場合もあるでしょう。

どんな場合でも経営者であるあなたが「この部門のパートは〇日」とか「この部門の社員は○カ月」などと決め、その期間はとにかく訓練を受ける人の知識を増やして、仕事のやり方を教えながら「できることを増やす」ことに専念しましょう。教育は訓練のあとにやるべきです。

「農業にマニュアルは必要か?」理論

昔から農業の生産現場では、マニュアルの必要性をめぐって、肯定派と否定派の2つの意見があります。口頭で教えれば十分だという考え方と、「見える化」すべきという考えです。あなたはどちら派でしょうか?

マニュアルが必要か、そうでないかを決めるのは、教育対象が誰か?によって状況が変わります。

例えば、あなたの農園で働く人が、パートや季節限定のアルバイトスタッフ、シルバー人材しかいない場合、働く期間が短いですから、数日あるいは数回教えれば十分かもしれません。この場合、わざわざマニュアル化して教える必要はありません。

もちろん、「訓練期間を短くして、仕事を早く覚えてほしい」とか「教える側の負担を軽くしたい」などという場合はマニュアルを作るのも良いです。でもマニュアルがなければ、絶対に成立しないほどではありません。

■誰を教育するのか?
その一方で、正社員の教育や農場長の育成が目的の場合、マニュアルは必要になってきます。

でも社員が増えて組織が大きくなったり、業務内容が複雑になってくると、マニュアルと実際の業務との間に乖離(ギャップ)が生まれることがあります。

この場合、マニュアルは正しいのに現場の仕事の方法に問題があるのか?それとも、現場の作業方法の方が効率が良く、マニュアルが間違っているのか?を見極める必要が出てきます。これが、業務の改善につながるのです。

■マニュアルは常に更新すべきもの
農業の生産現場におけるマニュアルは、一度で完成しません。

(1) マニュアルをつくる(Plan)
(2) 実際に現場で作業する(Do)
(3) 3カ月に1度などの頻度で、定期的にチェックする(Check)
(4) 作業項目を追加するなど、マニュアルを改善する(Action)

こういったサイクルで、マニュアルを継続的に改善しながら、PDCAを回していきます。その結果、マニュアルが正社員や農場長の教育など人材育成に役立つようになるのです。

組織を育てる「人は会議で育てろ!」理論

これまでの連載で、農家(農業法人)の組織づくりについて何度も触れてきました。前述のPDCAは、組織育成にも当てはまります。過去の連載と合わせて読み直してみてくださいね!

Planにあたる内容は「第6回 経営計画を作る意味とは?」で説明したように、これまでの決算内容から現状分析を進め、3~5年先の販売計画や新規顧客の獲得について計画を立てることです。

次のDoは「第8回 農家が成長を続けるには?長年の習慣を見直せ!」で「上司はひとり」理論、「姿勢のルール」理論、「結果で評価」理論を読み直していただければと思います。

そしてCheckが「第9回 苦手なんて言っていられない!農業のIT化が経営を改善する」で経営改善につながる「3つのデータ」理論で、必要なチェック項目について挙げています。

最後のActionが「会議の運用」です。会議の場を通じて、今後の行動変化=改善に結びつけようという提案です。この会議こそ人材育成に必須な有意義な場思います。ただし会議が有意義な場になるかどうかは、次の3つにかかっています。

つまり
・目標とする数値計画があり、
・その目標に対して、チームと個人個人の役割分担や数値責任がはっきりしていて、
・進捗状況がスマート農業系のアプリやGoogleスプレッドシートなどで共有(=見える化)されている状態であるかどうかによります。

あなたの組織は大丈夫でしょうか?

会議でやることは以下3つです。

(1)目標に対して「不足」していることを明確に報告してもらう(=「不足の認識」)。
(2)「不足」に対して、どんなアクションをするのか?本人に準備させたうえで会議に参加させる(=「行動変化」)。
(3)達成できてなくても、今後のアクションの内容が問題なければ、達成できてないことはいったん置いておき、次の行動に集中してもらう。「不足」をだらだら引きずらない(「結果の完了」)。

(1)ができてなかったら、仕組みの問題か、本人の準備不足で注意します。
(2)がきちんと考えられていなかったら出し直しさせます。教育ですね、我慢も必要です。

社長や上長は、週次会議や月次会議を使ってうまく人材育成をしましょう。ただ報告を聞いているだけだったり、連絡事項の共有や認識をすり合わせる場にとどめておくのはもったいないです。そんなことはグループLINEや他の方法でできます。

会議で人を育てる、会議はそういう場になるように経営者はうまくデザインしてください。


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以上で、最終回は終了です。

いかがだったでしょうか?
全10回の連載、あっという間でしたね(本当はすごく苦労して原稿を書いてました…)。

生産現場を軸とした組織づくりのPDCAをうまく回して、5,000万円・1億円・3億円と成長し続けるスター農家を皆さんもぜひ目指してください!では近いうちにお会いしましょう!!

藤野 直人
藤野 直人
株式会社クロスエイジ代表取締役/農業総合プロデューサー

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